経営者メッセージ

20代後半で初めてアメリカ合衆国に渡り、3年間滞在したことがあります。広大な国土、陽気な人々、それに当時最盛期を迎えていた巨大ショッピングモールの偉容にただただ圧倒されたことを覚えています。行く土地土地で、住民が東洋人の私たち家族と出会うと、口々に ”Enjoy!” と声をかけてくれたのも、とても新鮮で不思議な感覚でした。

あれから四半世紀が過ぎ、日々の暮らしは飛躍的に便利になりました。しかし、なぜか今よりも不便で満ち足りてはいなかった時代を懐かしく感じるのもまた事実です。経済合理性や拡大再生産をひたすら追求してきた資本主義社会が、大きな曲がり角を迎えていることにも深い関係があるのではないでしょうか。

創業の昭和50年、今から半世紀近くも前、「ジョイフル本田」を社名と決めた創業者、本田昌也の奇抜で独創的なアイデアと行動力。これが我々の原点です。誠実で勤勉な仕事ぶりこそ唯一無二としていたはずの世の中で、楽しむこと、共に喜び夢を創っていくことを会社の名前に託しました。
こじんまり小さくまとまってしまうのではなく、はみだしながらも全力で規格外のことを成し遂げる集団、こんな組織をもう一度原点に戻って創っていきます。

そして、これまで出店させていただいた地域の皆様に愛着を持っていただけるくらい「根ざす」ことが、私たちの願いです。人と人とがふれあい、慈しみ、気持ちが安らげる場所。行くとなぜか少しだけ元気が出てくるようなお店。新しいことに日々チャレンジしていきつつ、決してスタート地点の想いは忘れません。ジョイフル本田に、ようこそ!!

【2021年度の振り返り】

当事業年度における我が国の経済は、長期化する新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛要請や飲食店等の営業自粛等により経済活動が制限され、旅行業や飲食業を中心に大きな打撃を受けました。特に新型コロナウイルスの影響による在宅需要の追い風を受けた業種と、移動の制限や時短営業等のあおりを受けた業種との二極化が鮮明となりました。

また、新型コロナウイルスの感染収束に向けて政府や自治体が主導しワクチンの大規模接種会場の設置や職域接種などの推進に取り組んでいるものの、依然として経済活動の先行き不透明な状況は続いております。

ホームセンター業界におきましても、新型コロナウイルス感染拡大の影響は大きく、ライフスタイルの変化に伴う在宅需要、テレワーク需要を取り込み、ペット・レジャー、ガーデン・ファーム、インテリア・リビングなどの商品グループを中心に業績を下支えする状況が続いております。

このような経営環境下、当社の今年度の基本方針「エッセンシャルワークを、全ての人が支える」のもと「必要必在」「生活提案」をミッションに掲げ、地域社会の喜びと夢を共創すべく、国内No.1の「Living Space Innovator」企業を目指し取組みを強化してまいりました。

それらの取組みの一つとして、中核事業の競争力を強化すべくグループ内の組織再編を行い、3月に非連結子会社であった株式会社ジョイフルアスレティッククラブの株式の一部をスポーツクラブ「ゴールドジム」を運営する株式会社THINKフィットネスに譲渡し、株式会社ジョイフルアスレティッククラブの収益改善とホームセンター事業とのシナジー効果の一層の創出を図りました。

また、4月には同じく非連結子会社の株式会社ジョイフル車検・タイヤセンターの全株式を、自動車整備事業等を展開する株式会社オートバックスセブンへ譲渡し、同社とのアライアンス体制の検討とともにお客様にご提供する新たな付加価値の創出と競争力のある店舗開発・運営を通じた当社の企業価値の向上に努めております。

さらに中核事業の強化の一環として潜在マーケットの開拓・深耕にも注力し、「職人の店」をコンセプトに工具、金物、作業服等のプロユースに対応する専門店として事業展開している「本田屋」を2店舗出店いたしました。昨年9月に2号店として「本田屋 船橋夏見台店」を千葉県船橋市に、今年3月には3号店として「本田屋 柏豊四季店」を千葉県柏市にそれぞれ出店しております。今後も当社のホームセンターとも連携して地域ドミナント化を図りながら、千葉県下に限定することなくプロ需要の多い地域への出店を継続してまいります。

営業面の強化におきましては、高付加価値商品の推奨販売や、商品グループ・部門をまたいだ関連商品販売など売場・売り方の見直しを図りました。また、販促面においてInstagram、LINE、TwitterなどのSNSを通してお得なイベント情報等を随時配信し集客強化に繋げるとともに、売場においてもホームセンター15店舗にデジタルサイネージを設置しホームページ・SNS等と連動した販促強化を図りました。

店舗におけるオペレーション改革では、業務効率化により総労働時間数が減少したほか、デジタル広告へのシフトなど販促媒体を見直すことにより広告宣伝費が減少しました。また、決算棚卸業務の効率化のため新たにスマートフォンを利用した棚卸システムを導入し棚卸期間を2日間から1日に短縮することで営業日数を確保したほか、棚卸の実務をペーパーレス対応にすることにより事務管理負担が軽減しコスト削減にもつながりました。

また、ESGに関する取り組みとしては、1月には犬猫保護団体の活動をサポートすべく、保護犬、保護猫との出会いの場づくりに豊富な実績を持つ一般社団法人RENSA、ペット保険のSBIプリズム少額短期保険株式会社とともに、保護犬・保護猫譲渡会の開催場所の提供や開催告知、運営補助等の活動支援を始めました。

さらに、株式会社茨城新聞社の創刊130周年記念事業「いばらき防災キャンペーン2021」の趣旨に賛同し協賛企業・団体に参加、地震や水害などの自然災害に備えるため各店舗に「防災用品コーナー」を設置し非常時の持出品や備蓄品などの防災用品を充実させるとともに、もしもの時に役立つアイテムや利用方法をホームページで紹介しております。

営業概況といたしましては、新型コロナウイルスの感染拡大により経済活動が大きな影響を受ける環境においてもマーチャンダイジングを強化し「新たな必需」を取り込み、またDX(デジタルトランスフォーメーション)によるマーケティングやIT活用によるオペレーションの合理化、本部機能の統合・スリム化等による収益構造改革が奏功したほか、潜在マーケットの開拓・深耕推進によるプロショップの出店等により業績は順調に推移いたしました。

これらの施策に取り組んでまいりました結果、当事業年度の売上高は、前事業年度における吸収合併によりリフォーム事業部およびアート・クラフト事業部の計上期間が前事業年度の3ヶ月間に対して当事業年度は12ヶ月間となった影響が大きく、前事業年度に比べ75億89百万円増加し、1,324億99百万円(前事業年度比6.1%増)となりました。

また、売上総利益は、前事業年度に比べ69億6百万円増加し、418億46百万円(同比19.8%増)、営業利益は、前事業年度に比べ23億19百万円増加し、115億6百万円(同比25.2%増)、経常利益は、前事業年度に比べ21億80百万円増加し、127億73百万円(同比20.6%増)となりました。

なお、当事業年度は、マーチャンダイジングの強化等の収益構造改革に取り組んだ結果、売上総利益率が前事業年度に比べ3.6ポイント改善し31.6%、営業利益率が前事業年度に比べ1.3ポイント改善し8.7%、経常利益率が前事業年度に比べ1.2ポイント改善し9.6%となりました。

当期純利益は、前事業年度において抱合せ株式消滅差益、燃料事業の事業譲渡益などを特別利益として計上したことから前事業年度に比べ19億63百万円減少し、89億85百万円(同比17.9%減)となりました。

当事業年度における、主要分野別および商品グループ別の売上状況は以下のとおりとなっております。

「住まい」に関する分野
当事業年度における「住まい」に関する分野の売上高は、前事業年度に比べ、139億11百万円増加しました。2020年3月21日に吸収合併により承継しましたリフォーム事業部は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により受注が大きく減少しましたが、前事業年度比較では計上期間の違いから124億99百万円の増加となりました。資材・プロ用品は前事業年度の大型台風上陸に伴う復旧需要等により僅かに前事業年度には及ばなかったものの、コロナ禍による外出自粛に伴う在宅需要によりインテリア・リビングにおいては主に生活家電などが、ガーデン・ファームにおいては主にグリーン、屋外園芸、ガーデン資材などの需要が増加いたしました。
結果として、売上高は、673億60百万円(同比26.0%増)となりました。

「生活」に関する分野
当事業年度における「生活」に関する分野の売上高は、前事業年度に比べ、63億22百万円減少しました。ガソリン・灯油は前事業年度における事業譲渡により、前事業年度と比較して108億18百万円減少しました。デイリー・日用品は前事業年度の消費税増税の駆け込み需要と新型コロナウイルスの感染拡大防止需要によるマスクや消毒液等の販売増加、外出自粛要請に伴い買いだめ需要によるトイレットペーパーやティッシュペーパー等の販売増加があり、それらの反動で減少いたしましたが、ペット・レジャーは生体販売、ペット関連商品、アウトドア関連商品の販売が堅調に推移し増加しました。2020年3月21日に吸収合併により承継しましたアート・クラフト事業部は、前事業年度比較では計上期間の違いから62億73百万円の増加となりました。
結果として、売上高は、651億38百万円(同比8.8%減)となりました。

2022年6月期の通期業績予想(2021年6月21日~2022年6月20日)

足元の業績につきましては、長引く新型コロナウイルスの感染拡大の環境下においても、マーチャンダイジングの強化により「新たな必需」を取り込み、また収益構造改革の継続推進により堅調に推移しており、当社が目指す「Living Space Innovator」としての進化を遂げるべく未来投資にも積極的に注力することで、増収増益を見込んでおります。

これらの状況を踏まえ2022年6月期業績を、売上高1,310億円(前事業年度比0.4%増)、営業利益118億円(同比2.6%増)、経常利益129億円(同比1.0%増)、当期純利益90億円(同比0.2%増)と見込んでおります。

  売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 1株当たり
当期純利益
  百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 銭
第2四半期(累計) 67,000 1.3 6,200 8.1 6,600 5.8 4,600 13.7 66.41
通期 131,000 0.4 11,800 2.6 12,900 1.0 9,000 0.2 129.93

(注)2022年6月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用するため、上記の業績予想は当該会計基準等を適用した後の金額となっており、対前期および対前年同四半期増減率については、2021年6月期に当該会計基準等を適用したと仮定して算定した増減率を記載しております。